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2007年11月26日

ツイン・ピークス ゴールドボックス

むさぼるように観ました。
実は放送当時全部観てたわけじゃなく、セカンドシーズンは結構観てなかったなあと改めて思ったわけで。
スタッフ的にもパイロットとファーストシーズンは1話1話が映画のようで、とか言ってるように評判が決していいわけじゃないセカンドシーズンですが、そうはいえどもファーストシーズンまででOK!でもないし、やっぱり感無量。

ネタバレも出てくるんで、興味ある人はご注意を。


実はエンディングは知ってなかったものの、局からの放送打ち切り宣言ののち、続きができないような内容で終わらせたというのは知っていた。
全29エピソードも佳境に入った時、こう思った。

「クーパーとトルーマンが特別な友情を築き、ハッピーな、それでもツインピークス色をなくさないエンディングを!(例えば、ラストシーンは無事すべて解決しお別れの時。クーパー、トルーマンの親指OK(例の)、その背景に何か続きを予感させる人物だか何かをちょい見せ。で、エンド)」

途中でもこの2人に妙な信頼関係というか、友情のようなものが見え、いいコンビだよな〜と思ってたんで、そこを期待してしまった。
そう期待してしまっただけにあのラストはちょっとつらいというかね。
監督がリンチ自身だし、理解できる(こじつけとかでない)展開だけにしゃーないとは思うが、ちと残念。
あと、ジェームズが出てったきりだし、最後再び主要人物全員にスポットをあてて欲しかったなというのが本音。
ま、第三者はなんとでも言えるからね。言わしといとよ。
もちろん、ツインピークスの僕の評価は何も変わらないけど。

特典映像にもしびれた。

一番はパダラメンティによるあの有名なテーマソングの作曲エピソード。

古いピアノだかエレピだかをパダラメンティが弾いている。
横にリンチ。
リンチが情景を説明。
パダラメンティ弾き始める。
リンチ「そうそう!そんな感じ。で、しばらく続くとその先にローラがいるんだ」的な展開。
パダラメンティ冒頭部繰り返しののち、ローラ出現を音で表す。
もちろん即興。
テープレコーダーを置いて(今じゃないもんな)録音。
リンチ「一音も変えずに」
きっと多少いじったんだろうが(笑)、そんな具合に出来ていく過程をパダラメンティが再現する。
正直、ここはすごい。
泣きそうでしたよ、まじで。

サタデーナイトライブでツインピークスをパロったのも超受けた(カイルのみ本人出演)
やっぱりキャラ1人1人がたってたから決して顔が似てなくても受けるんだよな。

毎年やってるらしいファン集いのフェスティバルもおもろそうだった。
映画のシーンを再現したり、トリビアやってたり。
今でも毎年やってて、出演者も参加してってそんなドラマはやっぱり聞いたことがない。

リンチ登場の回顧録もよかった。
元々「Northwest Passage」だったって話も含め(ファーストシーズンBOXでは「北北西部への...」ってご丁寧に和訳してたけど---笑)
ファーストシーズンBOXではマークフロストは出てくるけど、リンチは一切出てこなかったからね。
削除シーンはなくてもよかったけど(笑)
しかし、あの昔の裏ビデオ的なひどい画質はなんなんだ!!w

さて、ファーストシーズンBOXも新マスターなんて書いてあるわけだけど、今回はリンチ承認のリマスター。
正直、映画のリマスターにいい印象はない(「冒険者たち」はあり得なかった!)
大抵、元のより明度が上がっていて、つまり、よりハッキリ見えるわけだけど、「それ意図してたんかなあ??」って思うことが多々あり。
今回は思ったほどでもなくて、これはこれでいいかなと思いましたよ。
一応比較したんで参考までに。

twinpeaks1.png

twinpeaks3.png

twinpeaks4.png

これを期に再びファーストシーズンBOXも見直した。

ゴールドボックスのファーストシーズンも見たんだけどね。

気づいたんだけど(今さらかい!!)、全エピソードにコメンタリーがついてる。
しかもだ。
ツインピークスってマーク・フロスト&デヴィッド・リンチ作品なわけだけど、リンチが監督したのはそのうち数話。
途中「ワイルドアットハート」撮ってたりね。
ま、めっちゃタイトで、しかも前人未到のドラマを作ってたわけで、相当消耗するのはコメンタリー見てても分かるし、そりゃ無理だよなと。
毎週映画1/2本のメガホンを取るってのはどだい無理な話で。
そんなわけで抜擢された各監督や撮影監督、美術さんなどがコメンタリー。
これが素晴らしい!!!!
リンチが撮った最初のパイロット版が基準だから、みなそれを見て、スタイルを継承。
しつつも自らのオリジナリティも盛り込もうとする。
そう聞いて見るとまた違った味わいがありますよ、各エピソード。
リンチのスタイルとして、カメラをあまり動かさないってのもリンチ映画好きな僕でもそんなこと知るよしもなかったし、「なるほどな〜」と思ったり。

撮影監督がコメンタリーの回は相当マニアックで分からない部分もあるんだけど、めっちゃ興味そそられる内容。
彼は全エピソードの撮影を任されてるんだけど、レンズに赤色フィルタをつけて撮影してたとか、ツインピークスの赤の重要さをどう表現したか、現像に至るまでの裏話。
リンチが広角好きで、って話が僕と同じで「だからリンチの映像にひかれるんかな」と感じてみたり。
ま、この回は是非見てほしいところ。
ツインピークスのこだわりの映像の具体的なエピソードがたっぷりです。

あと、エピソード1。
この監督はそれまで編集をやってた人なんだけど、流れで初監督作品がこれになる。
大事なパイロット版の次の1話を監督初挑戦の人がやってたなんて、これまたすごいつーか。
「ワイルドアットハート」のその日の撮影を終えたリンチが「ツインピークス」の編集に立ち会い、
同じフロアで「エピソード1」のその日の撮影を終えた彼(名前調べて書こうよ〜〜)がそのまま「ワイルドアットハート」の編集やってたり。

映像特典自身はゴールドボックスの方が断然にいい。
ただ、ファーストシーズンBOXはコメンタリー自身が特典だと思うんで、そう考えるとゴールドボックスがコンプリートとはちょっと言えないかな。。。
出費を煽るのもなんだけど(笑)
1話48分まるまる重要スタッフによるインタビュー(=特典)ってことですよ。
ファーストシーズン全7エピソードだから、300分強。

気になるセカンドシーズンBOXの映像特典は全22話でせいぜい60分弱。
ここでも監督のインタビューとかあるようだが、ファーストシーズンBOXの分量と比較すれば一目瞭然。
そんなわけでセカンドシーズンBOXは申し訳ないけど買いませんです。

ゴールドボックス持ってる人も、ツインピークスフリークなら間違いなくファーストシーズンBOXはマスト。
いや、ホント買って損ないっすよ、まじで。
本編もリマスターと違うしね。
レッドルームの話し方も教えてくれるし(←これいらねw)

一気に書きましたが、なんか抜けてるかも。
抜けてたらまた別途書きます。

一言でこのドラマを表せ、と言われるとすごい困るんだが、理屈じゃないというかね。
見てみて合わない人は合わないだろうし、好きな人はめっちゃ好きになる作品だと思う。
リンチ作品はおおむねそういう傾向にあるけど。
どこかのレビューで「怖そうだったんでちょっとだけ最初見た。多重人格をおもしろおかしく描くってのは最低」みたいなニュアンスで書いてる人がいたんだけど、作品の本質とはまるでずれたコメントだし、こういう人は単に合わないだけかなと思う。
合わない人に「違う違う、そういうことじゃなくて」って説明するようなもんじゃないしね。
感覚的といえばいいだろうか。
めっちゃシリアスな展開のくせにやけにとぼけたハッピーな音楽が鳴ってたりね。
ま、これもツインピークスの魅力の1つに過ぎないけど。
「なぜ、ここでそういう音楽なんだ?」と思う人がいたら、それも単に合わないだけかと。
クーパー自体があり得ない存在だしね。
あり得ない存在なんだけど、結局リアル、という矛盾もこれまた魅力の1つ。

その後の映画、ドラマに多大な影響を与えてる作品なわけだけど、アメリカのシリーズドラマの潮流とか知らないし(24とか最近だしね)とか思ったんだけど、1つ浮かんだ。

「アメリカンビューティ」

映画だけど、これモロ、ツインピークスの影響下でしょ。

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2007年11月26日 20:31に投稿されたエントリーのページです。

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